井上俊之原画集

2014年01月22日 21:02
2013年に放送されたアニメのハイライトを決めるとしたら『有頂天家族』第3話は是非入れたい。その理由はもちろん日本のトップアニメーターの一人、井上俊之氏が参加して素晴らしい作画を披露しているから。異界との狭間のようなノスタルジックな雰囲気に説得力を持たせ、弁天様の妖しい美しさを引き立てた画力はやっぱり「カリスマ」と呼ばれるだけはある(本人はあまり嬉しくないらしいけど)。
普段は原画に集中するために引き受けることが少ない作画監督も担当して全体の質を高めていた。
そんな井上さん担当パートを集めた『井上俊之 有頂天家族 原画集』が先日発売された。
作品全体の原画集や、あるいはクリエイター単体の「画集」はめずらしくないけど、アニメーター一人の担当パートを集めた公式原画集(コミケ等のアニメーター本を除く)っていうのは、それだけでもちょっと特殊な一品じゃないかと思う。
その中身もそれまでの原画集とはひと味違う。ファンアイテムとしての機能を越えて、作画を、アニメーターの仕事を勉強するための原画集になっている。なにしろ公式で「ベテランアニメーターによる、アニメーターの為の原画集!初級・中級・上級にわかれ、どのように作画されているかを詳細に見ることが出来ます。(中略)アニメーターの方にも、今からアニメーターを目指す方にも、そして勿論TVアニメ「有頂天家族」をご視聴頂いた方にもオススメなそんな原画集です!」と紹介されているぐらいで。

その濃密な内容をちょっと紹介したい。
井上さんが担当した3話と12話の原画がもちろん掲載されていて、それが全三巻に渡り厚さもこんだけある。


1ページ毎に原画が掲載されていて、ページをパラパラとめくると(動画が入っていないにしろ)そのカットを実際のアニメのように見ることが出来るようになっている。ページを無駄にしないために反対方向からもパラパラ出来るようになってる。弁天様美しいんじゃー。

原画の前には絵コンテと井上さんの解説が。

クリックすると大きなサイズで見れます。

一応ガタガタのgif動画だけど、こんな↓感じ。
http://www.bannerkoubou.com/photosharing/v17139


付録としてタイムシートがついているというのもこの原画集がアニメーター用で専門的な内容だということを特徴づけている。というか、これは業界初なのでは?

この通り本当にただのタイムシート。タイムシートがわからない人は、原画マンが記すそのカットをどうするか指示した標とでも思えば良いんじゃないかと。


そんでやはり特筆すべきは井上さんと、吉原監督による解説DVDで、全カットを演出意図や技術的な話まで合計3時間以上語ってくれている。これがもう、とても勉強になる。3巻合計9000円したけど皆に見せて回りたいくらい。
YouTubeにそれぞれ1カットずつサンプルが上がっているので紹介しておきますよ。
井上俊之 有頂天家族原画集 初級編サンプル: http://youtu.be/jrH6s9OIx5g
井上俊之 有頂天家族原画集 中級編サンプル: http://youtu.be/YK00iq3yuEg
井上俊之 有頂天家族原画集 上級編サンプル: http://youtu.be/8EFYQVT1K4w

原画の間を描く動画さんの技術的な問題や、手間ひまを計算に入れて原画を描いているという、当たり前のようでいて素人には気づきにくい視点、もっと大げさな動きにしても良かったなあなんていう、反省なんかも隠さず話してくれていて非常にありがたい。

僕が特に感動してしまったのは、弁天様が矢三郎の頬を扇子でなでた後に自分の頬をぺちぺちするカット。

ぺちぺちは絵コンテの段階では指示されていなかったけど、原画の時点で井上さんが入れたアレンジだったということ。

3話の中でも繰り返しリピートしたお気に入りのシーンで、弁天様の絶妙な愛情が見えて萌える。
「矢三郎の頬に触れた扇子で、自分の頬にも触れることで愛情を表現したかった」とのことで、トップアニメーターがただ上手な絵を描いているんじゃなく、演出にも一役買っていることがわかる名シーンだった。

日本最高峰と言っても過言ではないアニメーターが何を考えて描いているのか、原画を描く時に必要な様々な配慮、技術について語られているこの原画集は、(アニメーターにとって役立つ物かどうかは素人の僕には判断出来ないけど)アニメーションについて研究したい全ての人に役立つと思う。
少なくとも作オタ必携の原画集。  

今 敏オタの過ごすクリスマス

2013年12月25日 23:56
額にいれて居間に飾っている今さんの絵のローテーション、今年もこの季節がやってきたよ。『東京ゴッドファーザーズ』に変えた。


今 敏オタの過ごすとか言ったけれども、今日特別に『東京ゴッドファーザーズ』観るわけでもなく、ごく普通に過ごしたんだけどね。

ところで、『今 敏 画集 KON'S WORKS 1982-2010』が届いた。やったー。

実は一昨年の画集BOXの中身が本になっただけなんじゃないかと予想していて、とりあえず持っておこうっていうコレクターアイテムぐらいにしか思ってなかった。まあ概ねそんな感じなんだけど。
ところが、オハヨウの絵コンテや、武蔵美時代の作品、未公開作品の資料もあってこれは嬉しい誤算。大判で画質も良くて満足。
武蔵美時代の作品は展示があった時に観にいったから、初見ではないんだけど、大きくて綺麗な画質で手元に残せる形になるとは思っても見なかった。でも、今さん関連の絵はいよいよ出尽くしてしまった感あるかも?『夢みる機械』さえ公開されればなあ…

ちなみに父親に誕生日プレゼントにこれ買ってくれやって頼んで、アマゾンから送られてきた。まあ良いクリスマスプレゼントになったかな。
メリークリスマスギリギリセーフ  

鶴田謙二(1)

2013年11月30日 23:02
11/13に梶尾真治 のエマノンシリーズ原作小説の新刊『うたかたエマノン』が発売された。結構厚い。
そして今日、つるけんのマンガ版エマノンの『續さすらいエマノン』が発売された。ウキウキでそのレビューをするかと思いきや、届かなかった…
特典イラストカード付きを予約したの。はよこい。きたら鶴田謙二(2)を書く。

悔しいので今日は前回のつるけんの記事では紹介していなかったつるけんグッズ(?)を紹介しよう。


『鶴田謙二作品全集 壱+零.弐』
探しまくってようやく手に入れた代物。高かった…
つるけんのお蔵入りしてた過去作品を一冊の同人誌にまとめたもの。ハッピー興行新社という庵野秀明が主宰の同人サークルで1994年に出したものらしい。
巻頭の庵野コメントでは「鶴田謙二ファン諸氏の渇きをいやしてくれたら幸いです」とある。まさに今、新刊が届かない渇きを癒しているのであります。庵野は何気につるけんを昔から支持してくれていて、単行本の帯のコメントとかも寄せている。ありがとう庵野さん。

ちなみにハッピー興行新社の作品ラインナップはこちら。(ウィキペディアコピペ)
鶴田謙二作品全集 壱 (1992年)
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 友の会 (1993年)
鶴田謙二作品全集 壱 + 零.弐 (1994年)
さらばセーラームーン 激特集 長谷川眞也 (1994年)
さらばセーラームーン 夢特集 幾原邦彦 (1994年)
楽勝!ハイパードール 6 (2006年)
楽勝!ハイパードール 6.1 (2006年)
楽勝!ハイパードール 6.2
楽勝!ハイパードール 6.3 (2009年)

全部欲しいよね。ハイパードールだけ作者書いてないけど、伊藤伸平先生ですよ。


次は第40回SF大会(2001年)のビラです。
2001年と言えば、つるけんは第31回(2000年)、第32回(2001年)の星雲賞アート部門を受賞していて、SF界にその名を轟かすスターだったのだ!(?)
星雲賞はSF大会の参加者が投票して選ぶものなので、少なくともSF大会界隈では人気あるんだなあ。
詳しくは7/20の記事を参照。http://hippopotamus23.otaden.jp/e283567.html

アニメ史のハイライトの一つである『DAICON IV』やら、伝説を残しているSF大会。しかもつるけん好きな人が多分かなり多い。一度行ってみたいけれど、参加費3万円とかにもなるし、なかなか行けないよな…  

このページの上へ▲